赤い果実の季節
こんにちは、mariko_jerusalem2020です。
あっという間に10月。「読書の秋」「スポーツの秋」「食欲の秋」ですね。日本ほどはっきりとした「秋の味覚」が見つけられずにいますが、そこかしこで、赤い大きな実がたわわになっている様子を発見。
西南アジア、南ヨーロッパ、北アフリカあたりが原産だと言われているザクロ。ここでは6~7月にオレンジ色の花が咲き、秋が収穫の季節。
事務所の庭に大家さんが植えたザクロの木が4~5本あるのですが、「いつ収穫するのかな?」と眺めている間に、完熟した実がぱかっと開き、中からあふれんばかりの赤い粒が。ヨーロッパの有名な画家の静物画でザクロの実がこんな風に描かれているのを思い出しました(本当にこんな感じになるのですね)。
右のオレンジと比べると1.5倍くらいの大きさ。こちらの人たちは絞ってジュースにしたり、サラダに入れて楽しんだりしているようです。ザクロは古くから「女性の果実」と言われているとおり、ビタミンやミネラルが豊富で健康や美容に効用があるようです。・・・ということで、私も積極的に食べてます。
旧市街を歩いていると、いろんなところでザクロのモチーフを見かけます。
ザクロはたくさんの種が入っていることから、豊穣や子孫繁栄のイメージもあるようです。しばらくはザクロを食べて、健康と美容に励むことにします。
9月はほぼ休み?
こんにちは、mariko_jerusalem2020です。
9月は「シルバーウィーク」ということで、連休を楽しまれた方も多いかもしれませんね。こちらではイスラム教(主にアラブ・パレスチナ人)とユダヤ教(ユダヤ人)を信仰する人が多いということもあり、所属するコミュニティによって休みが変わります。私はパレスチナ人居住区に住み、パレスチナの人たちと仕事をしていることもあり、金・土曜日のほか、イスラム教の祝日をベースに休みをとっています。
一方、ユダヤ教の祝日にはトラムなど公共交通機関が運休したり、日本国大使館が休館になるため、ユダヤ教の祝日もチェックしています。そして、なんと、9月はシルバーウィークどころか、「ほぼ休みではないか???」ということが判明。
太陰暦であるユダヤ暦を使用しているユダヤ教では、年によって祝日の日付は変わります。今年(2021年)は、
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①9月7~8日:ローシュ・ハシャナ「ユダヤ暦の新年のお祝い」
②9月16日:ヨーム・キプール「贖罪の日」
イスラエルで最も重要な日とのことで、前日(イブ)もお休み。断食をしてその前の1年間の罪を悔い改める日
③9月21~27日:ハグ・ハ・スコット「仮庵祭」
イスラエルの民が出エジプトの後8日間仮庵住まいだたことを偲び、草葺き屋根の家を建ててそこで食事をする
④9月28日:シムハット・トーラー「律法の歓喜祭」
この1年間で読了した律法に感謝し、読了を祝う
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私の近所にはユダヤ教徒はいないので、実際それぞれどのようにお祝いしているのか間近で見る機会はなかったのですが、③の「仮庵(スッカ)」がどんなものか気になり、西側(ユダヤ人居住区)に住む友人のところに遊びにいくついでに、見学してきました。
先日ワクチン接種を受けたシティホールの前には、巨大な「仮庵」が建てられていました。中にはステージなどもあり、夜になると歌や踊りを見ながら会食できるのかもしれません。
トラムの線路に沿って、小屋が建てられてました。いわゆる「掘っ立て小屋」をイメージしてたのですが、毎年の行事なので、鉄パイプなど使いまわしできるような素材が用いられているようです。
シートで覆われているものもあり、こうなるとますます私の中の「仮庵」のイメージとは離れていきます。。。
延々と続く感じなので、途中で引き上げて友人の住むマンションを訪ねたところ、なんとマンションの中庭にも建てられてました。ちょうど食事が始まるところだったようです。
厳格なユダヤ教徒はこの仮庵(スッカ)の中で7日間を過ごすらしいですが、食事の時だけスッカで過ごすのが一般的のようです。食事を囲みながら、家族で過ごすかけがえのない時間。これはラマダン中のイフタール(日没後の食事を家族・友人と囲んで食べる)とも通じる部分があるなあと感じました。
ひとあしお先に#3
こんにちは、mariko_jerusalem2020です。
日本では「コロナ禍との闘いに集中したいから」と現役首相が次の総裁選への不出馬を表明しましたが、残念ながらまだまだ全世界でのCOVID-19をめぐる戦いの終わりは見えないようです、、、
そんななか、「ブースター」と呼ばれる3回目のワクチンを接種してきました。「ひとあしお先に」シリーズもまさか3回目があろうとは予想だにせず。(参考:1回目、2回目)
イスラエルが世界に先駆けてワクチン接種を始めたことは日本でもたくさん報道されているようですが、7月末に60歳以上の3回目接種が開始され、今では12歳以上が対象になっています。
私の場合、イスラエル保健省から発行される「ワクチン接種証明書」の有効期限が12月31日までなので、それまでに3回目を接種すればいいやと思っていたら、突然、下記のようなおふれが出されたため、あわてて接種を受けることに。
「2回目の接種から5~6か月後の間に3回目のワクチン接種(ブースター)を受けることができます。6ヶ月を過ぎてしまった場合、ワクチンの効果がなくなるため過去2回のワクチン接種が無効になります。尚、このルールは10月1日から適用されます」
接種会場となったシティホールに行くと、すでに長蛇の列が。女子高生?女子大生?らしき団体が目立っていて、それを見ただけで何時間待ちになるのかなと嫌な予感が。
結局、2時間待って、ワクチン接種は受付も含めて数分で終了。あっけなかった。
ちなみに上の写真は、私にブースター接種をしてくれたお医者さんの手です。私が写真を撮りたいんだけど、と言ったら、「こんな感じ?」と応じてくれました。そんな和やかな感じだったので、接種時は全く痛みを感じず、本当に接種されたのか?と疑ってしまうほどだったのですが、ほどなく「ちゃんと打たれたな」ということが証明される結果に。
接種したのが水曜日の18時。翌日の朝は腕が筋肉痛だな、でも熱はない(平熱)くらいだったのですが、大事をとって午前中はテレワークにさせてもらいました(午後はもともと休みをとっていた)。接種から18時間後の木曜日昼には、やばいかもと感じるほどに。熱が36.6→37.4→38.0と順調に?上がり続け、ピークは接種の約24時間後で39℃。私は1,2回目の接種後も発熱しましたが、今回が一番の高熱だったかも。
3回目なのでこうなることも見越して、水曜日のうちにおかゆや野菜スープを作りストック、飲み薬・ポカリ・アイスノンと準備はしておいたので一人暮らしでも何とかなりましたが、(あって欲しくないけど)次回は加えてオレンジジュースをリストに入れておこうと、寝込みながら思いました。
結局、木曜日は半日以上寝込み、金曜日朝に復活。土曜朝まで腕の筋肉痛と若干の頭痛は残ったものの、何とか週明け(日曜日から仕事です)には間に合いそうで良かったです。
副反応も人によってですが、みなさんもどうぞお大事に。
なかよし_エルサレム編#1
こんにちは、mariko_jerusalem2020です。
8月は広島・長崎への原爆投下や終戦記念日などもあり、平和について考える機会も多かったのではないかと思います。今年は特に2月に発生したミャンマークーデター、5月に発生したガザ空爆、8月のタリバンによるアフガン制圧など、例年以上に強く平和を願わずにはいられない感じがします。
ここエルサレムでも相変わらず大なり小なり事件は発生しているのですが、日々の生活のなかでは、ほっこりすることもたくさんあります。
そんなわけで、今日はエルサレムで見つけた「なかよし」を紹介したいと思います。
冬は黒い服を着る人を多く見かけたのですが、このお2人はカバンも靴も黒、スカーフはベージュとお揃い。親子でしょうか。
続いても「おそろい」3連発。
姉妹なのか従妹なのか親友なのかペアルックも割と見かけます。日本でも「双子コーデ」とか言いますね。青系統のチェックのワンピースは手作りでしょうか。少しデザインを変えたら女子高の制服にもなりそうですね。
「おそろい」は女性だけの特権ではありません。ボーイズの白いセーターとデニムの組み合わせ、さわやかです♪
そして、「なかよし」さんは、通勤途中に遭遇することも多いです。
幼稚園に行く途中でしょうか。明らかに大人用サイズのリュックを背負っている子どもとしっかり手を握るお母さん。
こっちは三姉妹を学校まで送り届けるお父さん。4人ともデニムに黒い靴が良い感じ♪
そしてやはり「なかよし」と言えば、、、
手つなぎカップル。男性のデニムと女性のハイヒールの「白」が何だかとてもまぶしく見えました。
みんないつまでも仲良くね♪
スイカの季節
こんにちは、mariko_jerusalem2020です。
日本は梅雨も間もなく明ける頃でしょうか。夏が近づくにつれ、さくらんぼ、びわ、桃、ぶどう、プラム、メロンなどさまざまな果物がスーパーの一画に彩りを添えていることでしょう。
しかし何と言っても、夏の果物の主役といえば「スイカ」!
この存在感、半端ないです。
他の果物も日本のそれらと比べると大き目ではありますが、スイカは輪をかけてビックサイズ。
手前のメロンも負けていませんが、いずれも日本のように「まんまる」ではなく、ラグビー型も多く見かけます。
こちらは大家族なので一つ買ってもすぐ食べきってしまうのでしょうが、こちらは単身で冷蔵庫も小さ目。なかなか手を出せずにいましたが、この日は友人宅にお邪魔することになったので、手土産にスイカをひとつ。「どれがいいかな?」とお店の人に相談すると、日本と同様、スイカをコツコツとたたいて音を聞きながら選んでくれました。見た目はなんですが、中身は甘くておいしかったです。
スイカの色はといえば、「緑、赤、黒、白」。これって何かに似てるなと思ったら、パレスチナ自治政府の旗の色でした。
イスラエルがパレスチナの旗の使用を禁止していた1980年代。パレスチナの旗が描かれているとしてパレスチナの画家の絵が没収された際、イスラエルの警察官が「たとえそれがスイカであっても、今後パレスチナの旗の色を使った絵を描いたら没収だ」と言われたというエピソードが残っています。
そして、その発言にインスピレーションを受けた他のパレスチナの画家たちがスイカをモチーフにした絵を描き、「スイカ」がパレスチナ抵抗運動のシンボルになったとか。
きっとこれから先、どこでスイカを食べてもこの話を思い出すのだろうなあ。
レッツエンタメ#1
こんにちは、mariko_jerusalem2020です。
エルサレムに来てからはや半年。季節は変わり、屋内でさえマスク着用の義務がなくなり開放的な感じです。現地での生活にも少し慣れ、行動範囲も広げていきたいなと思う今日この頃。
・・・そんなわけで、少ない趣味のひとつである「観劇」に繰り出しました。
「国立劇場」というので日本のそれ規模を想像していたら、下北沢にある本多劇場くらいのサイズ感でした。でも、カジュアルスタイルで観劇できるのは嬉しいです。
チケットは予約していたものの支払いは窓口で。30イスラエルシェケル(約1,000円)なり。座席指定はなく、開場と同時に入ったので前から3番目のど真ん中の席を確保でき、かなりのお得感。
で、肝心な劇の内容はというと、、、
ミステリーです。アスマハーンという女性歌手は実在の人物で、1917年にシリアで生まれ、家族でエジプトに亡命。そこで「アラブの至宝」と称えられる有名な歌姫となります。残念ながら26歳の若さで自動車事故で亡くなりますが、その死をめぐっては謎が多く、それをベースに戯曲がつくられています。
↑ こちらでアスマハーンの歌声を聞くことができます
劇はシリアスかと思いきや、アラビア語ちんぷんかんぷんの私でも楽しめるくらい、随所に動きで笑える場面がちりばめられ、「亡霊」として各場面に出てくるアスマハーン役の女性(こちらも有名な歌手らしい)が素晴らしい歌声を披露してくれるので、飽きずに2時間過ごせました。
ポスターに描かれている男性(探偵)は中年の憂いを秘めたハードボイルド系な感じですが、実際演じた男優さんは、160cmくらいの小柄な方で、コミカルな演技も多く、チャップリンを彷彿とさせるような感じでした。
この戯曲、日本でも見てみたいなあ。探偵は市村正親、各場面に出てくるセクシーでコミカルな女性は小池栄子、アスマハーンは誰だろう?と思わず妄想をふくらませてしまいました。
待合スペースの壁にはたくさんのポスターが貼られていました。国立劇場はコロナ禍での閉鎖をへて、ようやく今回、再開したとのこと。家から5分の距離だし、何といっても安いので、足しげく通うことになりそうです。
ラマダンカリーム#4
こんにちは、mariko_jerusalem2020です。
あっという間に5月も終わりですね。少し間があいてしまいましたが、5月11日まで続いたラマダン(断食月)の楽しかった思い出をお届けしたいと思います。
「断食」=日の出から日の入りまでの時間、飲食を断つというイスラム教徒の義務の一つですが、これには3つの意味があるそうです(こちらの記事より抜粋)
(1)欲望を抑えることを学ぶ
(2)食に感謝する
(3)心身をリセットする
断食なんて大変だなあと思っていたのですが、このラマダンの時期を待ち遠しいと思っているイスラム教徒も多いようです。ラマダンが終わった後に、ラマダン中の街の雰囲気は特別なものだったんだなと気づかされました。
ラマダン中の日没後は、子どもたちにとっても「特別な時間」です。
5月初めに現地パートナー団体が主催する地域のイフタール(日没後の食事)を楽しむイベントに参加しました。100名近くの大人・子どもが参加し、キッドレも大鍋で用意されていました。ラムはとてもやわらかくて、美味しかったです。
食事を終えてまったりしていると、地域ボランティアのおじさんが声をかけてくれました。毎年やっているイベントだけど、昨年はコロナ禍で中止。2年ぶりの開催に、子どもたちだけでなく大人たちも大興奮の様子。
子どもたちのために、「道化師とゆかいな仲間たち」が登場。真ん中の道化師のお兄さんは実は足を骨折していて松葉杖を使ってましたが、この地域出身で自分が子どもの頃に楽しんだので、今度は子どもたちを楽しませたいと思い引き受けたとか。その思いは、まっすぐ子どもたちに届いたようです。
大人も子どもたちの様子を見守りながらも、道化師たちのおどけた素振りに子どもたち同様、たくさんの笑いがおこりました。
最後には、犬役の女性が子どもたちにフェイスペインティングを、ピエロ役の女性がバルーンアートをつくってくれました。
フェイスペイントは女子に人気で、圧倒的に男子はバルーンアートの列に並んでました、その理由は、、、?
小学生男子のふるまいは、どこも一緒ですね(苦笑)。
帰り道に見た夜景が、イベントで盛り上がったテンションを落ち着かせてくれました。
残念ながら昨年はコロナ禍で、今年は各地でのイスラエルーパレスチナ(アラブ)の衝突やガザ空爆などでラマダンやイード休みを思う存分楽しめなかった人たちも多くいたと思います。
来年はこの子どもたちのように、みんなが楽しめるラマダンになって欲しいなと願わずにはいられませんでした。