境界の街から A small report from Jerusalem

さまざまな宗教や文化が交錯する街・エルサレムから、日々の出来事や感じたことをお届けします。

ひとあしお先に#2 After vaccination twice #2

こんにちは、mariko_jerusalem2020です。

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ワクチン接種会場にて Poster at vaccination venue in Tel Aviv

日本でも医療従事者や高齢者へのワクチン接種が進んでいるようですが、ここイスラエルでは人口の半数以上が2回目の接種を終え、今月半ばには屋外でのマスク着用義務も解除されました。

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西側での夜の様子 Night in West Jerusalem

日中は30℃を超える日も多くなってきたエルサレム。1年ちょっとぶりくらいに外を歩く際にマスクを外したら、ものすごい解放感がありました。屋内では引き続きマスクをつけなければならないので、マスクはいつも携帯していますが。

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西エルサレムの真ん中を走るトラム Light rail between East and West Jerusalem

トラムやバスの中は屋外?屋内? 時間帯によってはそれなりに密になるのでやはりマスクはした方が良いですね。先日乗ったトラムでは60%くらいのマスク着用率だったかな。

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エルサレムの夜 Night in East Jerusalem

エルサレムの方は、西側とはまた雰囲気は違いますが、日没後にイフタールを食べた後は買い物やお茶したり、シーシャ(水タバコ)を楽しんだりする人たちの姿も見られます。

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プーさん大人気 Winnie-the-Pooh is the most popular?

路駐している車の中に積まれたボンベを使って風船を売っている若いお兄さんもいまして、10分ほど商売の様子を眺めていました。この間、3人の子どもが風船を買いにきましたが、リクエストはすべて「くまのプーさん」。姉弟しておそろいのプーさん風船をもらって満足気でした。

イスラエル自体はワクチン接種が進んでいるおかげで感染者数は減ってきていますが、変異種をブロックするために特定の国からの入国が制限され始めています。ということは、やはりまだまだ警戒を完全に緩めるわけにはいかないかもしれませんね。

 

 

 

ラマダンカリーム#3 Ramadan Kareem #3

こんにちは、mariko_jerusalem2020です。

ラマダンについてお届けする中で、何度となく出てきた「イフタール」という言葉。日没の合図がなった後にいただく最初の食事のことですが、家族はもちろん、親戚・友人・知人、たくさんの人たちとの楽しく長い夜をゆったり過ごすのが定番のようです。

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イフタール Iftar invited by friend in Jerusalem

先日、いっしょに働く現地の人からのイフタールのお誘いがあり、エルサレムでの初イフタール体験をしました。家庭によって、日によってメニューは違うようですが、私がお邪魔したお宅では、サフランライス、マハシ(ぶどうの葉でご飯を巻いたもの:写真奥)、グリルしたチキン、野菜のポタージュ、サラダ、なつめやし等々。ポタージュには絞ったレモンをすすめられて入れてみたら、とろっとしたスープに酸味がほど良いアクセントになって美味でした。チキンも圧力鍋でたいたようにほろっとして感動。

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食後のデザート Kataief as a typical desert in Ramadan

食事のあとは、イフタール定番のデザートがお待ちかね。「カターイェフ」という名前のこのお菓子。どら焼きの皮のような大きさ・厚さの生地を半分に折り、その中にくるみやナッツが詰まってます。これをオーブンで焼いて、シロップをかけたら出来上がり。各家庭で中身や味付けは多少違いがあるようですが、見た目ほど甘くなくてペロッといけちゃいました。

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果たして何人前? How many servings?

カターイェフはこういった形で売っています。これは、「カターイェフをいろんな具を入れて食べてみよう!」というとある日本人の方のお誘いを受けたときのもの。

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Variety of dips/creams for Kataief

主催者お手製のカスタードクリーム、レモンクリーム、抹茶クリームはどれもよくあいました。他にマスカルポーネチーズ、ジャム、なつめやし(デーツ)のシロップ、バナナやドライイチジク、ぶどうなど、いろんな組み合わせを楽しみましたが、たくさん食べられないのが残念。

定番のカターイェフも美味しいですが、こういうアレンジもイフタールの楽しみ方の一つかもしれませんね。

・・・そして、ラマダンはあと半月ほど続きます。

●おまけ●

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ラマダンの夜のマーケットでも例の「緑色の丸いもの」を発見!

 

 

 

 

 

何だろう?#1 What’s this? #1

こんにちは、mariko_jerusalem2020です。

異国ではともかく、「これ何だろう?」と思うものに出会うことがあります。エルサレムでも同様。今日はその中から、「緑色の丸いもの」を紹介します。

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緑色の丸いもの? Green vegitable

いや、こんなに大きいものではありません。右の野菜は「コールラビ」最近は日本のスーパーでも見かけるかな。カブっぽく見えますが、キャベツやブロッコリーの仲間みたいです。

私が今日紹介したいのは、もう少し小さい「緑色の丸いもの」なんです。

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Green and Black olives

オリーブですか。確かにエルサレムの名物の一つではあります。お惣菜やさんにはたくさんの種類のものが売ってますし、瓶詰のものも豊富です。

私が紹介したい「緑の丸いもの」ですが、大きさはオリーブの粒くらいですね。

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これです What's those?

紹介したいのはこの2つの「緑の丸いもの」。4月初めからマーケットで見かけるようになりましたが、大体この2種類の緑豆?が並んで売られていることが多いです。

果たして、その実態は?

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生のアーモンドです Low Almonds

ひとつ前の写真で右側の方の緑の粒は、「生アーモンド」。こちらに来て初めて見ました。というか、アーモンド、生で食べられるの?って感じですよね?

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中はこんな感じ Inside of Low Almond

中にはやわらかい白いアーモンドの粒が入ってます。最初、この中の粒だけ取り出して食べるのかなと思っていたら、外側の緑色の部分そのものも食べられると聞いてまたびっくり。味はたんぱくなので、塩をつけて食べるのが定番のようです。

そして、もう一つの緑色の粒は、、、

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ごはんの上の粒です Mixed rice with chick pees(left)

こちらは「生のひよこ豆」。ひよこ豆は日本でも乾燥したものは売っていると思いますが、クリーム色の硬いものですよね。生のひよこ豆は殻をとると薄い緑色の粒が見えますが、ゆでると上の写真(左)ように鮮やかな緑色の粒です。グリーンピースより少し大きな粒ですね。味はこちらもたんぱく。塩を添えておつまみにも♪

 

 

 

 

ラマダンカリーム#2 Ramadan Kareem #2

こんにちは、mariko_jerusalem2020です。

早速、前回の続きでラマダン中の旧市街の夜の様子をお届けします。

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Afternoon in Muslim area of Old City

って、最初から昼間ですが。実は前日の昼間に行ったところを夜訪問したら、

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別世界でした

Night in Muslim area of Old City

イルミネーションも場所によって色や付け方が違っていて、それもひとつの楽しみ

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古くからあるアラブマーケット Old Arab market

ここは白が主体なので、他のところより明るく商品が見やすいですね

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緑も幻想的 Green lights

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カラフルな電飾も幻想的 Colorful illumination

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十字架を背負ったイエスが歩いたと言われる道 Via Dolorosa

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原色もあります Coloful lights

食べ物関係を中心にたいていのお店は23時近くまで開いているようでした。

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カラフルな飲み物 Special drinks for Iftar

日没後に最初にいただく食事(軽食)をイフタールと言いますが、その時にこういった色とりどりのジュースを飲むようです。見るからに甘そうですね。

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お菓子屋さん Sweets shop

いろんな形や色をしたグミも人気です。量り売りなので、子どもたちもここぞとばかりに自分の好きなものを袋につめて、お母さんに買ってもらったりしてました

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おもちゃ屋さん Toy shop

おもちゃ屋さんも賑やかです。子ども連れが多いので、熱心に営業してました

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ここは? What's boys eat?

再び、お菓子屋さん。前に紹介したクナーフェなど伝統的なアラブのスウィーツを売っているお店の前には、男の子たちが美味しそうに食べてました。夜中のスウィーツは健康には良くなさそうですが、日中の断食に備えてエネルギー補給は大事かもしれませんね。

ラマダンはまだ始まったばかり。にぎやかな夜がまだまだ続きます。

ラマダン カリーム#1 Ramadan Kareem#1

こんにちは、mariko_jerusalem2020です。

エルサレムでは、今年は4月14日(火)からラマダンが始まりました。ラマダンと言えば、イスラム教徒が断食をする期間として知られています。さまざまな欲を捨て、自身の信仰心を清めるためのイスラム教徒の行いの一つです。

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近所のサンドイッチ屋さんも休み Shop are closed in day-time

イスラム教徒が多く住むこの地区では、ラマダンの期間は日中はお店を閉め、日没後から深夜までお店を開けるところもあるようです。ラマダンは一ヶ月続きますが、月の満ち欠けによって始まりと終わりの日が決められます。

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木陰で昼寝する男性 A man is taking a nap under the tree

日が昇る前の明け方4時くらいに食事をとり、その後、日没(今は19時過ぎ)まで食事どころか水も飲まずに過ごします。通常と同じように仕事をしますが、お腹が減っていてはなかなか集中するのは難しく、注意力散漫になることから特にラマダン開始直後は、交通事故も増えるとか。お腹が減るとイライラするため、ケンカも多くなる様子。

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ラマダンを知らせる看板 Announcement about Ramadan

そんな大変なラマダンですが、実はこの期間はいつもより食事が豪華になったり、夜遅くまで出かけたりと、「苦行」というイメージとは少し違うようです。家族や親せき、親しい友人を招いてのイフタール(日没後の最初の食事)を楽しみながらの団らんや夜のお出かけなど、「いつもと違う」感じに子どもも大人もワクワクするようです。

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何となくそわそわ? Preparation for Ramadan

そして、夜が本番?のラマダンは町中がライトアップされます。

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ライトアップの準備中 Ready to light up

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出来上がり! Lighting on the pedestrian to Check point to West Bank

クリスマスは白い色の光が多いですが、ラマダンはカラフル♪

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色が変わります Changing color from Blue to Violet

そして、ダマスカス門もおめかししてます。

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門の中の世界はどんな風になっているのでしょうか?

続きはまた次回♪



 

西側散歩#2 Walking in West Jerusalem#2

こんにちは、mariko_jerualem2020です。

今日は1回分巻き戻って、西側散歩の続きをお届けします。

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マハネー・イェフダー市場の入口 Entrance of Makhane Yehuda Market

エルサレムの西側には、旧市街に対して、新市街と呼ばれるエリアが広がります。土産物屋やカフェなどが並び、コロナ禍以前は観光客で賑わっていた歩行者天国のベン・イェフダー通りなどもあります。

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市場の中の通り In the market

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市場の中の八百屋 Vegitable and fruit shop in the market

市場で売られているものは、旧市街で売られているものと基本的にはあまり変わりがありませんが、旧市街よりも整然とものが並んでいる印象はあります。

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お刺身も買えるようです There are 'Sashimi'

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ごまペースト Sesame paste

ここのケーキ、ぜんぶ茶色いなあと思っていたら、案内してくれた友人が「これはいろんな種類のごまのペースト」だと教えてくれました。試食もさせてくれるようなので、早速ひとくち。ねっとりして濃い味わいでした。

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市場の一画ではお酒も飲めます Bar in the market

イスラム教徒が多く住む東エルサレムと異なり、ユダヤ人や外国人が多く住む西側では、レストランやバーだけではなく、市場の一画でもお酒が飲めます。週末のこの日は、昼過ぎから飲んでいる人の姿が見られ、開放的な感じがしました(って、マスクしてない人も結構見かけたなあ)。

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ストリートミュージシャン Street musician

旧市街もそうですが、西側も足を延ばしたのはほんの一部地域なので、また新しい発見があったら第二弾をお届けしたいと思います。

おまけ:

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この子には名前があるのかな? Yellow duck on the street



 

聖地にて#1 Praying for Easter at Church of the Holy Sepulchre

こんにちは、mariko_jerusalem2020です。

昨日(4月8日)はお釈迦様の誕生日ということで、日本の各地のお寺ではささやかに花まつりが行われていたのかなと思います。一方、ここ、エルサレムでは4月4日(日)がイエスの復活を記念する日・イースターでした。イースターはクリスマス(キリスト生誕の日)とともに、キリスト教徒の方たちにとっては大切な日です。

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エルサレム旧市街にある聖墳墓教会

毎年イースター前後には、たくさんの観光客が聖墳墓教会などキリスト教ゆかりの地を訪れているようですが、今年はコロナ禍の影響もあり、例年に比べ静かなイースターのようです。

イースターエッグとかお店に飾られたりしているのかな、どんなふうにお祝いしているのだろうかと気になり、仕事終わりにちょっと遠回りして旧市街のキリスト教地区まで足をのばしてみました。

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聖墳墓教会の入口 entrance of the Church

近くを何度か通り過ぎたことはあるのですが、教会内に入るのは初めて。無料で開放されてはいるのですが、キリスト教信者でもない私がこの大切な日に入っていいのかな、、と少し躊躇しつつも、好奇心が勝り導かれるように入口へ、、、

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香油を注がれた石 Stones poured with perfume oil

まず初めに目の前に現れたのが、「香油を注がれた石」この畳一畳分くらいの大きさの赤い大理石は、十字架から降ろされたイエス・キリストの亡骸に香油が塗られたと言われている場所。熱心な信者さんたちは、この石の前でひざまずき、額を石にこすりつけながらお祈りをささげていました。

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この大理石の前には、十字架から降ろされ、簡易なベットに横たわるキリストが細かい石のモザイクで描かれています。

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アナスタシス(復活聖堂)Anastasis  

左手奥に進むと、十字の形をした教会の先端(頭の部分)である「アナスタシス(復活聖堂)」に出ます。写真では暗くてわかりずらいですが、手前にあるのがイエスのお墓。お墓の中は小さな礼拝堂になっていて、2~3人が入れるような広さです。

、、、とここまで見学していると、何やら奥から礼拝の声が聞こえてきました。ところどころ「アーメン」と唱えているのが聞き取れるくらいで、仏教のお経同様、私には内容はわかりませんが、荘厳な響きに心が洗われるようでした。

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この礼拝団(10人ほどの男性で構成されていました)は、一か所で礼拝が終わると、また別の大切な場所で礼拝を始める、という感じでした。せっかくの機会ですので、他の信者さん・観光客とともに礼拝団の後をついて回りました。

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十字架発見の聖堂 Basilica of the discovery of the cross

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聖ヘレナ聖堂 St. Helena Basilica

まさしく聖地にいるんだな、と感じた時間でした。

 

おまけ:

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Isramic mosque next to the Church

ここは旧市街の中のキリスト教地区なので教会が多く存在するのですが、実は聖墳墓教会の向かい側にはイスラム教のモスクがあり、歴史・文化・宗教のこの多様性こそがエルサレムをつくりあげてきたのだなあ、という感じがしました。